ポジティブ心理学 おすすめの本の紹介
「ポジティブ心理学をきちんと学んでみたいのですが、どの本を読めばいいのか教えてください」という問い合わせが少なからず寄せられています。
日本ポジティブ心理学協会では、欧米の主要なポジティブ心理学者たちが一様に「良書」と認める原書や国内の著者の作品から、一般の学習者にとって適切と思われる書籍、おすすめの心理本を厳選してご紹介しています。
(本の表紙をクリックすると、Amazonにリンクします)
はJPPA理事たちによる一言コメントです。
幸福優位 7つの法則―仕事も人生も充実させるハーバード式最新成功理論
(The Happiness Advantage)
ショーン・エイカー (著), 高橋由紀子 (翻訳) 徳間書店 (2011年8月刊)
ハーバード大学で人気第1位の講師直伝。「自分は幸せだ」と思える人ほど、よい結果を生んでいる。最先端のポジティブ心理学が解き明かす「成功」と「幸福」の驚くべき関係。(「BOOK」データベースより)
数年前、ハーバード大学で学生から絶大なる人気を集めた「幸福学」講座をタル・ベンシャハー博士のもとでティーチング・フェロー(アシスタント)として担当し人気講師となったショーン・エイカー氏による、ポジティブ心理学及び「幸福」に関するとても読みやすい書籍です。本書では、「幸福」になることによって成功・達成を実現するための7つの法則が紹介されています。タル・ベンシャハー博士の著作が自己啓発書的なポップ性を売りにしているのに対し、本書はより実証実験に基づいた事例を紹介しているのが特色です。また、企業の事例にも言及することによってマネジメントの視点からも気づきのある内容となっています。
よく言われるように「一生懸命努力すれば成功する」あるいは「成功した時にようやく幸せが手に入る」のではなく、「人は幸せでポジティブな気分の時に成功する」と従来の常識を覆す「ハッピネス・アドバンテージ」理論は、多くの読者に斬新な視点を与え、仕事や人生に対しても前向きな気持ちにさせてくれることでしょう。
しあわせ仮説―古代の知恵と現代科学の知恵
(The Happiness Hypothesis: Finding Modern Truth in Ancient Wisdom)
ジョナサン・ハイト (著), 藤澤隆史, 藤澤玲子 (翻訳) 新曜社 (2011年7月刊)
どのように生きるべきか。幸福はどこからくるのか。逆境に、どう立ち向かったらよいのか。世界の文明が生みだした偉大な思想がこの難問に取り組んできた。その教えは、正しいか。現代心理学の成果に照らし合わせて吟味。(「BOOK」データベースより)
原著者のジョナサン・ハイト博士はアメリカでは新進気鋭の社会心理学者であり、最近では政治に関する発言も多いことから、大学教授たちの日常的な話題の中でも、またメディアでも、その名を聞かない日はありません。この本は、ポジティブ心理学の青写真とも言ってよい「徳」の議論に関する格好の入門書であり、欧米のポジティブ心理学の授業ではピーターソン博士の本と並んで必読書となっています。原書が決して容易ではないため、翻訳にもそれなりの年月が要されたようですが、心理学の専門家が訳出した本として信頼が置けます。これからの日本における、本格的なポジティブ心理学の議論の高まりの到来を告げてくれるような嬉しい出版です。原書に比べてお値段は少々張りますが、ポジティブ心理学の本質に触れるためには欠かせない、大変価値のある一冊です。
世界でひとつだけの幸せ―ポジティブ心理学が教えてくれる満ち足りた人生
(Authentic Happiness)
マーティン・セリグマン (著), 小林 裕子 (翻訳) アスペクト (2004年6月刊)
人間は自らの弱点を克服するだけでは幸せになれない!アメリカ心理学会会長のM・セリグマン教授が提唱する「ポジティブ心理学」は、心の病を治し、自らの短所や悩みを解消するのではなく、それぞれが生まれながらに備わった「強み」や「美徳」をさらに伸ばすことで、今よりもっと幸せになるための心理学である。あなたにとっての「世界でひとつだけの幸せ」が必ずかなうヒント満載の1冊。(「BOOK」データベースより)
『オプティミストはなぜ成功するか』と同様、翻訳書では、原書における心理学に関する記述が割愛されており、かつ原文にはない記述があることから、こちらも原意が正確に伝わっていない節があります。それでも、著者のセリグマン先生の「幸せ理論」を理解するのに欠かせない一冊ですので、洋書は読みづらくて…という方にはぜひ一読をお勧めします。
実践入門 ポジティブ・サイコロジー ―「よい生き方」を科学的に考える方法
(A Primer in Positive Psychology)
クリストファー・ピーターソン (著), 宇野カオリ (翻訳) 春秋社 (2010年4月刊)
個人や社会を豊かにする「ポジティブ感情」や「強み」を研究する“ポジティブ心理学”の歴史的背景とキーワードがすべてわかる。科学的に検証された実践例/実験例を豊富に取り入れ、人間の行動と判断の根底にあるものをスリリングに読み解く。人事担当、マーケティング担当必読。(「BOOK」データベースより)
ポジティブ心理学を学問的に深めてみたい、という方には必読の一冊です。大学・大学院では教科書としても利用されている本で、内容的にバランスも良く、著者のピーターソン先生独特の「行間を読ませようとする節回し」も人気の本です。ただし、映画や音楽のリストなど、原書にある面白い工夫が翻訳書では割愛されてしまっているため、原書の魅力も味わいたい、でも原書は読みづらい…という方には翻訳書との併読をお勧めします。
フロー体験 喜びの現象学
(Flow: The Psychology of Optimal Experience)
M. チクセントミハイ (著), 今村 浩明 (翻訳) 世界思想社 (1996年8月刊)
幸福、喜び、楽しさ、最適経験などの現象学的課題の本質を心理学、社会学、文化人類学、進化論、情報論を駆使し、原理的、総合的に解明した労作。(「BOOK」データベースより)
チクセントミハイ先生の翻訳書についてはいずれも良訳で良書です。同じチクセントミハイ先生著による翻訳書で、『フロー体験入門―楽しみと創造の心理学』(大森 弘訳)、『楽しみの社会学』(今村 浩明訳)、『フロー体験とグッドビジネス―仕事と生きがい』(大森 弘訳)もお勧め度の高い本です。
さあ、才能(じぶん)に目覚めよう―あなたの5つの強みを見出し、活かす
(Now, Discover Your Strengths)
マーカス・バッキンガム (著), ドナルド・O・クリフトン (著), 田口 俊樹 (翻訳) 日本経済新聞出版社 (2001年12月刊)
頑固さ、神経質といった欠点さえ、それが力を生み出すなら「才能」となる。ビジネスを成功に導く、あなたの強みは何か。(「BOOK」データベースより)
2001年に日経新聞出版社から出版されたものですが、その後10年間毎年売上を伸ばし、すでに10万部を超えている日本で一番売れているポジティブ心理学関連の良書です。その人気の秘密は各冊に1個付いてくるIDによってオンラインで受けられる強み発見ツール「ストレングス・ファインダー」、そしてギャラップ社(当時)のマーカス・バッキンガムの絶妙な文章です。残念ながら「ストレングス・ファインダー」だけ受けて「当たっている!」と占い的に使用している読者が多いようですが、内容をじっくり読んで行動に移せば、誰でも自分らしいスタイルで卓越性を獲得できます。
同じく「ストレングス・ファインダー」のIDがついているギャラップ社による良書としてこちらもお勧めです。
心のなかの幸福のバケツ
(How Full Is Your Bucket? Positive Strategies for Work and Life)
ドナルド・O・クリフトン (著), トム・ラス (著), 高遠 裕子 (翻訳)
ポジティブな人だけがうまくいく3:1の法則
(Positivity)
バーバラ・フレドリクソン (著), 植木 理恵 (監修), 高橋 由紀子 (翻訳) 日本実業出版社 (2010年7月刊)
天才心理学者が証明した感情の“黄金比”。ビジネス、教育の現場で大注目の「ポジティブ心理学」の実践書。
ポジティブ感情研究の第一人者であるフレドリクソン先生による待望の処女作です。翻訳は原文に対して細心の注意が払われており、かなりの良訳です。最近では、本書にある「ポジティブ感情:ネガティブ感情=3:1」(ロサダ比)に対する反証が提示されるなど、話題は尽きません。なお、本書の書評については次のリンク先が参考になります。
マネジャーに贈るこの一冊:ポジティブさの効用を科学する~『ポジティブな人だけがうまくいく3:1の法則』
なぜ選ぶたびに後悔するのか―「選択の自由」の落とし穴
(The Paradox of Choice: Why More Is Less)
バリー・シュワルツ (著), 瑞穂 のりこ (翻訳) 武田ランダムハウスジャパン (2004年10月刊)
多すぎる選択肢におしつぶされることなく、じょうずに選べば満足して生きられる。“選択の自由”に疑問を投げかけ、日々の決断を見つめなおす、目からウロコの選択術。(「BOOK」データベースより)
ポジティブ心理学の議論で頻繁に出てくるのが、人間の自由意志とこの「選択」の問題。著者のシュワルツ先生は米国のメディアでも大人気の大学教授で(論調には賛否両論ありますが)、次のリンク先の画像でも本書の内容について講義するシュワルツ先生の様子を垣間見ることができます(日本語字幕なし)。
TED会議(ゲストスピーカー:バリー・シュワルツ)
「やればできる!」の研究―能力を開花させるマインドセットの力
(Mindset)
キャロル・S・ドゥエック (著), 今西 康子 (翻訳) 草思社 (2008年10月刊)
問題がむずかしいとやりたがらない子、むずかしい問題ほど目を輝かせる子。一度の失敗で、もうダメだと落ちこむ人、失敗すると、何がいけなかったのか考える人。このちがいはどこからくるのか?能力や才能は生まれつきではないことを20年間の調査で実証した貴重な研究。(「BOOK」データベースより)
思考が凝り固まってそれ以上伸びない「こちこちマインドセット」と、フレキシブルにぐんぐん成長を続ける「しなやかマインドセット」。スタンフォード大学心理学部教授のドゥエック先生の理論は、コーチングや学校教育などの実践現場にも積極的に取り入れられ活用されています。
50歳までに「生き生きした老い」を準備する
(Aging Well)
ジョージ・E・ヴァイラント (著), 米田 隆 (翻訳) ファーストプレス (2008年6月刊)
ハーバード・メディカル・スクールによる50年以上かけた「成人発達」研究。「幸福な老い」を決めるのは、遺伝子や富や人種ではない。個人のライフスタイルの選択だ。(「BOOK」データベースより)
著者のヴァイラント(ヴァーユント)先生が指導するハーバード大学医学部の成人発達研究は、ポジティブ心理学研究の中でも大変重要な、先駆的な基礎研究の一つとして位置づけられています。「ポジティブ・エイジング」について考えるための一冊としてお勧めの良書です。
ポジティブ・チェンジ―主体性と組織力を高めるAI
(The Power of Appreciative Inquiry)
ダイアナ・ホイットニー, アマンダ・トロステンブルーム(著), 株式会社ヒューマンバリュー (編集, 監修, 翻訳) ヒューマンバリュー (2006年9月刊)
米国シカゴ市の将来像を共有する「イマジン・シカゴ・プロジェクト」で数百万人が実践、国連サミット他先進企業で多数の実績を持つ組織変革最新手法「アプリシエイティブ・インクワイアリー」の実践ガイド。(「MARC」データベースより)
「改善」だけを繰り返しても企業はやがて疲弊してしまい、21世紀のビジネス社会では生き残れない。これからは、「対話」「強みの発見」などポジティブなアプローチによって外の基準に合わせるのではなく組織の内側から改革を進める必要がある。それを具体的にどのように進めればよいかを事例も含めて説明しています。
幸せを科学する―心理学からわかったこと
大石 繁宏 (著) 新曜社 (2009年6月刊)
この本を読めば幸せになれるほど、人生は甘くない。しかし、幸せへのヒントはたくさんある。幸せに関する最新の心理学研究の成果。(「BOOK」データベースより)
世界的なウェルビーイング研究者である大石先生による一冊です。本書には「ポジティブ心理学」という言葉は一度も出てこないのですが、欧米におけるポジティブ心理学研究の実際を知るのに、和書の中では一番の良書となっています。
(余談)「この本を読めば幸せになれるほど、人生は甘くない」…ちなみに「ポジティブ心理学を学べば幸せになれるほど、心理学は甘くない」というのはセリグマン先生の著書の中の一節です。
ポジティブ心理学―21世紀の心理学の可能性
島井 哲志 (編集) ナカニシヤ出版 (2006年4月刊)
こころに弱さをもった人をモデルとする従来の心理学とは異なり、楽観主義やポジティブな人間の機能を強調するポジティブ心理学。その理念や背景、最新研究の成果や今後の課題などをくわしく解説する。(「BOOK」データベースより)
ここ数年、ポジティブ心理学関連の著書ならびに翻訳書の出版が急増していますが、2006年刊行の本書はそうしたブームの先駆けともなった一冊です。学術書ですが、一般読者にとっても比較的読みやすい一冊としてまとめられており、第一線の研究者たちによる執筆をはじめ、セリグマン、ピーターソン両先生による論文も和訳で読むことができます。
































